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知られざるフィリピン、イロイロの魅力を徹底解説!文化から観光地まで

2024年3月23日

1.イントロダクション:フィリピン、イロイロの魅力

フィリピンといえば、首都マニラやビーチリゾートのセブ島、ボラカイ島が有名ですよね。しかし、今回ご紹介するのは、それらとは一味違う、まだまだ知られざる都市「イロイロ」です。

イロイロはフィリピン中部、パナイ島に位置する都市で、歴史的建造物や美しい自然、美味しいグルメなど、訪れる人々を魅了する多くの要素を持っています。スペイン統治時代の影響が色濃く残る街並みや、独自の文化が息づく祭りなど、他の地域では体験できない魅力が溢れています。

これから本記事では、そんなイロイロの歴史や文化、観光スポット、グルメ、年間イベントなどを詳しく紹介していきます。フィリピン旅行の際には、ぜひイロイロを訪れてみてください。

2.イロイロの歴史と文化

(1)スペイン統治時代の影響

フィリピンのイロイロは、1566年から1898年までのスペイン統治時代に強く影響を受けました。特に建築物や言語、食文化にその痕跡を見ることができます。

まず、イロイロの街並みはスペイン統治時代の風情を色濃く残しています。特に、ミアガオ教会やハロ大聖堂などの美しい教会群は、スペインのバロック建築を彷彿とさせます。

また、地元の言語であるヒリガイノン語にもスペイン語からの借用語が多く見られ、地元の人々の生活に根ざしたスペイン文化の影響を物語っています。

さらに、地元料理にもスペインの影響が見られます。特に「アドボ」や「レチョン」など、スペイン風の調理法が用いられた料理が多く存在しています。

これらの統治時代の影響は、イロイロの魅力の一部となっています。訪れた際には、ぜひその独特な文化を体験してみてください。

(2)繊維産業の盛衰と砂糖輸出の発展

フィリピン、イロイロの経済は、かつて繊維産業によって支えられていました。特に19世紀には、豊富なコットン生産とともに、繊維加工が盛んに行われ、布地等の生産が活発化しました。しかし、繊維産業の衰退と共に、イロイロの経済は砂糖産業へとシフトしていきます。

その後、19世紀から20世紀初頭にかけて、フィリピン全土で砂糖輸出が大いに発展しました。その中心地となったのが、イロイロであり、この地域は「砂糖の地」として知られるようになりました。

1960年代以降、砂糖価格の下落や競争力低下により、イロイロの砂糖産業は衰退の一途を辿りましたが、現在でも一部の地域では伝統的な製法で砂糖が生産されています。

(3)独立革命とアメリカ支配

19世紀末、フィリピン全土ではスペインの植民地支配に対する独立革命が勃発します。イロイロもまた、この大きな潮流からは外れませんでした。この時期、イロイロの先駆者たちは積極的に革命に参加し、植民地支配からの自由を求めました。

しかし、1898年のスペインとアメリカとの戦争(米西戦争)の結果、フィリピンはアメリカの管轄下に入ることになります。この結果、イロイロは新たな影響を受けることとなりました。

年代

イベント

19世紀末

独立革命

1898年

米西戦争、アメリカ支配開始

アメリカの支配下では、英語教育や新たな行政システムの導入など、イロイロの社会は大きく変化します。しかし、同時に地元民の抵抗も強まり、フィリピン全土で独立運動が続くこととなりました。

(4)戦後のイロイロ、砂糖業の衰退

終戦後のイロイロは、重要な産業であった砂糖業の衰退に直面しました。一時期はフィリピン内で最大の砂糖生産地域だったイロイロですが、とりわけ1960年代以降、砂糖価格の低下や競争力の失墜が原因で砂糖業は大打撃を受けました。

この衰退はイロイロの経済に大きな影響を与え、多くの人々が求職を余儀なくされる結果となりました。以下の表では、この時期の砂糖業の衰退とその影響を簡潔に示しています。

年代

砂糖価格

影響

1960年代以降

低下

競争力の失墜



職を失った人々

しかし、この困難がイロイロを形作る一方で、新たな産業が興り、多様化しました。現在、イロイロは漁業、農業、製造業など様々な産業が混在し、より強靭な経済を持つ地域へと成長しています。

3.見逃せないイロイロの観光スポット

(1)旧市街と新市街の対比

イロイロは、スペイン統治時代の名残を色濃く残す旧市街と、近代的なビルが立ち並ぶ新市街とが鮮やかな対比を描く都市です。旧市街は、石畳の道や美しいコロニアル建築が点在し、歴史的な風情が漂います。一方、新市街は、ショッピングモールやレストラン、ホテルなどが立ち並び、活気に溢れています。

以下にそれぞれの特徴を表にまとめました。


旧市街

新市街

特徴

歴史的な風情、石畳の道、美しいコロニアル建築

近代的なビル、ショッピングモール、レストラン、ホテル

観光

歴史散策、建築巡り

ショッピング、グルメ

このように異なる顔を持つイロイロ市内を散策することで、フィリピンの歴史と現代が交錯する風景を楽しむことができます。

(2)ミアガオ教会:ユネスコ世界遺産

ミアガオ教会は、フィリピン最大のキリスト教文化の象徴で、ユネスコ世界遺産として登録されています。1787年に建設が始まり、竣工までに10年を費やしたこの教会は、その堂々とした外観と美しいレリーフが見どころです。

特に、ファサードに描かれた聖クリストフォロスのレリーフは圧巻で、彼がキリストを背負って川を渡る様子が生き生きと表現されています。また、天井画は原住民の伝統的な装飾を取り入れており、西洋と東洋の文化が融合した独特のデザインになっています。

ミアガオ教会はイロイロ観光のハイライトで、その歴史と芸術性を体感することができます。

(3)魅力溢れるガリンファーム

ガリンファームはイロイロの観光スポットとして大変人気で、自然とアートが見事に融合した場所です。ここでは、農園を散策しながら様々な果物や野菜を発見できます。また、「天国への階段」と呼ばれる白く長い階段は、まるで天に向かって昇っていくような感覚を体験できます。

また、ガリンファーム内にはペット動物エリアも設けられており、さまざまな動物とのふれあいも楽しめます。さらには、農作業体験や手作りパン作りなどのアクティビティもあり、親子連れからカップルまで幅広く楽しむことが可能です。まさに一日中過ごせる施設といえるでしょう。

圧巻は、階段の頂上から見渡すパノラマビュー。海と空が一体となった絶景は、訪れた人々を魅了します。自然とアート、体験学習が一体となったガリンファームは、イロイロ観光の際にはぜひ訪れてみてください。

(4)ボラカイ島:究極のビーチリゾート

フィリピン、イロイロから約1時間のフェリー乗船でたどり着く楽園、それがボラカイ島です。ここは、真っ白な砂浜と透明度が高い海水、豊富な海洋生物が魅力的なビーチリゾート地で、世界中から観光客が訪れます。

特にウハウ・ビーチは、世界で最も美しいと評価される場所の一つで、夕日が美しいことでも有名です。 また、スキューバダイビングやシュノーケリング、ウィンドサーフィンなどのアクティビティも充実しています。

表1 ボラカイ島の主なアクティビティ

アクティビティ

詳細

スキューバダイビング

豊富な海洋生物と出会えます

シュノーケリング

海面から海底を観察できます

ウィンドサーフィン

海上を滑るスリルを味わえます

ボラカイ島はリゾートライフを満喫したい方にぴったりの、究極のビーチリゾート地と言えるでしょう。

(5)ギマラス島:最高のマンゴー体験

イロイロからフェリーで短い距離に位置するギマラス島は、フィリピン全国でも最高品質のマンゴーで知られています。ギマラス島のマンゴーは、その甘さとジューシーさで一度食べたら忘れられない美味しさです。

マンゴーシーズンには、島全体が金色に輝きます。見渡す限りのマンゴー畑が広がり、一面に熟したマンゴーの甘い香りが漂います。地元の農家で直接マンゴーを購入したり、マンゴーピクニックを楽しんだりと、マンゴーラバーにはたまらない体験が待っています。

さらに、ギマラス島では毎年5月に「マンゴーフェスティバル」が開催されます。この期間には、料理コンテストやマンゴー食べ放題など、マンゴーをテーマにした様々なイベントが行われ、訪れる観光客を楽しませています。

(6)イロイロ博物館:過去へのタイムスリップ

イロイロの歴史を身近に感じることができるのが、イロイロ博物館です。この博物館は、スペイン統治時代の建物を改装したもので、その見た目も一見の価値があります。

博物館内部は、古代の遺跡から近代の写真まで、多岐にわたる展示品で彩られています。特に注目すべきは、砂糖産業が盛んだった時期の生活風景や、独立革命当時の生々しい写真など、イロイロの地の歴史を伝える一品一品です。

また、博物館のスタッフも親切で、詳しく解説をしてくれます。そこで語られる地元のエピソードを聞きながら、歴史の深みを感じてみてください。

表1:イロイロ博物館の主な展示品

展示品

説明

古代の遺跡

原始時代から中世までの人々の生活様式を垣間見ることができます

砂糖産業関連

砂糖産業が発展した時期の風景や道具を展示

独立革命時期の写真

革命の様子を映し出す貴重な写真

まるでタイムスリップしたかのような体験を、イロイロ博物館でぜひお試しください。

(7)モロ・マンションとモロ教会:美しい建築物を巡る

フィリピン、イロイロ市に所在するモロ・マンションとモロ教会は、地元住民から愛される歴史的な建築物です。

モロ・マンションは、かつて砂糖業で成功したモロ家の邸宅であり、その豪華さから、市内で最も美しい建造物と称されます。ここでは、モロ家の歴史や、19世紀のフィリピンの上流階級の生活を垣間見ることができます。

一方、モロ教会は、スペイン植民地時代の建築様式を色濃く反映した美しい教会です。教会内部には彫刻や絵画が飾られており、その美術的価値も高く評価されています。

これらの建物を訪れることで、イロイロの歴史と文化を深く理解することができます。

(8)ハロ大聖堂:男性の教会とも呼ばれる、壮麗な宗教施設

ハロ大聖堂は、フィリピン・イロイロ市にある壮麗なカトリック教会で、その美しさから「男性の教会」とも呼ばれています。大聖堂は、バロックとゴシックの要素が融合した設計で、16世紀に建造されたものの一部が現存しています。大聖堂の内部には、美しいステンドグラスや精巧に彫刻された聖者像が並び、訪れた者を神聖な気持ちにさせます。

【訪れるべきポイント】

  1. 歴史的な建築:建物自体が見どころで、バロックとゴシックの融合した外観は見事です。

  2. ステンドグラス:色とりどりのステンドグラスが日光を受けて美しく輝きます。

  3. 聖者像:聖者像はそれぞれ独特の表現で、その細部まで見る価値があります。

これらを見れば、ハロ大聖堂がなぜ「男性の教会」と称されるほどの美しさを誇るのか理解することができるでしょう。

4.イロイロで体験するべき年間イベント

(1)ディナギャン・フェスティバル:華やかなパフォーマンス

ディナギャン・フェスティバルは、毎年イロイロでは大いに賑わう年間イベントの一つです。1月の第4週目に開催され、イロイロ市全体がこの祭り一色に染まります。

このフェスティバルは、異なるエスニックグループの共同体が一同に会し、ダンスや音楽を通じて神々への感謝と豊穣を祈る伝統的な祭りです。参加者たちは、カラフルで創造的な衣装を身に纏い、エネルギッシュなダンスを披露します。

また、祭りのハイライトは、各グループが自分たちの物語を表現する競演部分。豊かな歴史と文化を背景に持つこの祭りは、訪れる旅行者にとって絶対に見逃せないイベントでしょう。

最後に、安全に楽しむための一部注意点を下記の表にまとめました。

項目

内容

開催日

毎年1月の第4週目

場所

イロイロ市内各所

見どころ

カラフルな衣装とダンス、競演

注意点

人混みの中での貴重品の管理

この情報を頭に入れてディナギャン・フェスティバルを楽しんでくださいね。

(2)マンゴー・フェスティバル:マンゴー愛好家の楽園

ギマラス島を訪れたら見逃せないのが、毎年5月に開催される「マンゴー・フェスティバル」です。この期間中、島全体がマンゴー色に染まります。特に目を引くのが、マンゴーピッキング体験や、マンゴーをテーマにした美味しい料理を楽しむことができます。さらに、マンゴー・イート・オール・ユーキャンというイベントでは、限られた時間内にどれだけマンゴーを食べられるか挑戦することも可能です。

また、フェスティバル期間中にはマンゴーに関する様々なイベントが催されます。例えば、マンゴーの品評会や、マンゴーを使った料理コンテストなどが開催され、マンゴー愛好家にはたまらない一日となります。フェスティバルのクライマックスでは、地元の人々による華やかなパレードが行われます。ここでしか味わえないマンゴーの魅力に触れてみてください。

(3)イロイロ・パラウ・レガッタフェスティバル:カラフルなボートが織りなす光景

毎年2月に開催される「イロイロ・パラウ・レガッタフェスティバル」は、フィリピン最古のボートレースとして知られています。原色に彩られた伝統的な帆船「パラウ」が、サンタフェ湾を舞台に熱い戦いを繰り広げます。

レースの走行距離は全長約30キロメートルで、そのスケールの大きさも見所の一つです。また、ボートに装飾されたカラフルな帆は、海上から見るとまるで移動するアート作品のよう。その美しい光景は訪れる観光客を魅了し、毎年多くの人々がこのイベントを楽しみにしています。

さらに、レース後の祭りも見逃せません。地元の音楽とダンスが盛り上げる祭りは、イロイロの伝統文化を感じることができ、非日常的な体験を提供してくれます。

5.イロイロの地元グルメを楽しむ

(1)新鮮なカキ

イロイロは海に囲まれた地域ということもあり、海産物の美味しさは格別です。その中でも特にオススメしたいのが新鮮なカキです。

イロイロはフィリピン有数のカキ養殖地域で、その新鮮なカキは他の地域と比べても一際大きく、肉厚でジューシーです。地元で採れたてのカキをその場で味わえるレストランも多く、訪れた観光客たちはその美味しさに驚きの声を上げます。

また、イロイロではカキを使った料理も豊富で、特に「オイスターシチュー」は訪れた際にはぜひ試してみて欲しい一品です。カキの旨味がじっくりと染み出たシチューは、一度食べたら忘れられない美味しさと言われています。

フレッシュなカキの魅力を存分に味わうことができるイロイロ。一度、その味を堪能してみてはいかがでしょうか。

(2)地元発祥の料理、バッチョイ

イロイロでのグルメ探しは、地元発祥の料理「バッチョイ」を味わうことから始めましょう。バッチョイは、ヌードル、肉、野菜、特製スープを合わせたうま味溢れる一品です。

イロイロで最も人気のあるバッチョイ店は、「デセディア・バッチョイ」。ここで提供されるバッチョイは、その特製ブロスが絶品。地元産の肉と新鮮な野菜をたっぷり使用し、煮込んで作られています。

下記に、「デセディア・バッチョイ」店の基本情報を表にまとめました。

店名

場所

営業時間

平均予算

デセディア・バッチョイ

フィリピン、イロイロ市

9:00-22:00

150-300ペソ

旅行中は新しい料理を試す楽しみもありますね。イロイロのバッチョイで、その味と地元の魅力に触れてみてください。

6.イロイロ観光で知っておくべきこと:安全/交通/言語など

イロイロ訪れる際の注意点をいくつかご紹介します。

【安全性】 イロイロはフィリピンの中でも治安が良いとされています。しかし、海外旅行に際しては常に警戒心を忘れずに。特に夜間の外出は最低限にし、人通りの多い場所で過ごすことをおすすめします。

【交通】 イロイロはジープニーやバス、トライシクルといった公共交通機関が発達しています。また、タクシーも多く、比較的安全に移動することができます。ただし、料金は事前に確認してから乗車しましょう。

【言語】 フィリピン全土の公用語はタガログ語と英語です。しかし、イロイロでは主にヒリガイノン語が話されます。観光地では英語が通じますが、一部日本語も理解してくれる場所があるので、事前の調査をおすすめします。

7.まとめ:未知の魅力、イロイロを訪れよう

フィリピンのイロイロは、その豊かな歴史、魅力的な観光スポット、美味しい地元の料理と、一年を通じて楽しむことのできるイベントが揃った地域です。ここでは、観光客が意外と知らないイロイロの魅力をお伝えしました。

まず、イロイロの歴史はスペイン統治時代から始まり、砂糖輸出の発展、独立革命、そして現代に至るまで、多様な文化が混ざり合った形で現れています。その影響は、旧市街と新市街の風景や、ユネスコ世界遺産であるミアガオ教会など、観光スポットにも見ることができます。

また、一年を通じて楽しむことのできる地元のイベント、ディナギャン・フェスティバルやマンゴー・フェスティバルなどは、訪れた人々に刺激的な体験を提供します。そして、新鮮なカキや地元発祥の料理バッチョイなど、イロイロの料理は訪れた人々の舌を喜ばせます。

いかがでしょうか。これらの要素が融合したイロイロは、まだまだ知られざる魅力が満ちている地域です。今回の記事が、皆さんのフィリピン、イロイロへの旅を一層楽しく、有意義なものになることを願っています。

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